金魚色の色彩 セル画とデジタル彩色

どうも、ピエール伊藤です。

突然ですが皆さんは昔のアナログ彩色のアニメと近年のデジタル彩色のアニメのどちらが好きでしょうか?

私はどちらも好きです。

ちょっと質問がおかしいかもしれませんね。

どちらにも向いてる物もあれば向いてないものもあるのではないでしょうか。

 

セル画に描かれた絵は色合いが過激でありつつも画に馴染み汗臭いというか人間味がおある気がします

例えば幽遊白書やハンターハンターの初期、るろうに剣心、ぬ~べ~なんかはセル画特有の人間臭さやおどろおどろしさがよく出ているように思えます。

 

デジタルはシャープな線で抑えめな色彩が馴染みやすく、人形のような美しい画を得意としていると思います

京都アニメーション作品なんかがデジタルで美しい画を作るのが得意ですね。細田監督作品のスタイリッシュな影なし作画もデジタル彩色が勝ると思います。

 

デジタルとアナログの雰囲気の違いは馴染みやすい色合いや画面効果の使いやすさが大きいと思います。

あと、何故かアナログで静止画やPANカットが表示されるのは全然平気なのですがデジタルだと手抜きにしか見えないという謎の現象もあります。

出崎監督の演出なんかもデジタルになってから雰囲気が大分変りましたね

 

エヴァンゲリオンが最近ではデジタルで新シリーズをやっていますね。

破や序の後半は全くの別のもなので序の最初の方がわかりやすいと思います。

画自体は同じ(実際は大分書き直してますが)物を使っていても印象が大分違ってくると思います。

テレビシリーズでは絵具でくっきりとコントラストが高めに描かれましたが、序では表現が自由なデジタルで暗く、コントラストが弱めに描かれていました。

どちらが好きかは別れると思いますが、アナログの方ははっきりしていて動きがダイナミックに見えて、デジタルでは巨大感が出ていて綺麗な画だけど動きに迫力が不足しているように思えました。

 

さて、前ふりが長くなってしまいましたが、今回金魚色ではアナログ彩色に近いデジタル彩色を目指そうと思います。

上の画は以前セル画とデジタル彩色の違いを調べるため同じ色でデジタルとセルに彩色したものです。

上が手塗りのセル画

下がデジタル彩色

私のハンドトレスや、塗りの下手さのせいで若干の差がありますが、ほとんど手塗りと変わらない画になりました。

さらにデジタルで描かれた方に少し画面効果を加えてみます

はい。こんな感じになりました。

アナログの線が少しボケる効果やフィルムの暗さやノイズを再現してみました。

それにしても暑苦しい画ですね(笑)

なんかこの作業をしていると、がんばって人造イクラやカニカマを本物に近づけようと努力している研究者さんたちの気持ちがわかる気がします。

しかし、結局はデジタルなので止め画とか特殊なカットが浮かないか心配です。

全カットをプリントアウトしてお手製のHD撮影台で撮影する実験とかも予定しています(それでも最低500~1000枚はプリントアウトが必要なのだが)

本当はフィルムで撮影したいんですけどね

無理そうだったらRETASとNIVEで普通に撮影します

 

 

おまけ。金魚色で使う東映の絵具のカラーチャート。

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コメント: 1
  • #1

    クロエ (日曜日, 22 7月 2018 09:03)

    カラーチャート参考にしました、ありがとうございます。

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